ぱちゅりーは保育園の子供たちを全員連れてれいむの家に辿り着いた。 
「それで、どうすればいいの?」 
 後ろでわめきちらす子供たちにゆっくりできない思いを抱えながらぱちゅりーは率直に本題を尋ねる。 
「かんけつにいえば、ぱちゅりーはぱちゅりーのこどもたちといっしょにほかのむれにうつりすむことになるよ」 



 確かに、身の振り方としては正しいのかもしれない。だが、ぱちゅりーの子供たち以外は? 
「ときどきむれのおとなたちがあまあまをくれるでしょ?」 
 その答えだけで十分だった。れいむたち大人のゆっくりはゲスの来訪をすぐさま察知してそのゲスが暴れる前に撃退し、食料にしていたのだ。ゆっくりの倫理観では同族を食べるのはタブーだが、度重なる経験で群の倫理観が歪んでしまった。歪むというよりは、より効率のよい栄養確保のために選んだ道である。ゲスゆっくりの中でもと同じ行為をするものがいるが、あまあまに対する中毒を除けばそれと同様。さらに、未熟児・障害児等、群にとって損になるゆっくりも全てれいむがあまあまに加工する。上手な加工の仕方はれいむだけが知っており、ゆっくりの精神を超越したれいむにしかできない技でもある。今日も、そしてこれからもれいむの家の貯蔵庫から悲鳴が絶えることはない。もちろん、同居人のまりさやその他の子供に気付かれないように口を潰してから加工する。また、うめき声は残るので、部屋を作る際に一工夫も加えた。子供たちが大人になったとき、この方法を伝授しようと思っていたのだが、彼らが余りにも幼稚で、ゆっくりしすぎているので方法を知れば悪用し、ゲスになるに違いないと考え、れいむの代で終わらせようと考えている。 
 自分の子ぱちゅりーと一緒にゲロを口に戻しながらぱちゅりーは疑問をぶつけた。 
「でも、ちかくのむれだとばれてしまうわ。とおいむれにおしりあいでもいるの?」 
 最も大事な質問である。近くの群だとぱちゅりーの噂が広まっているかもしれないし、まりさたちが自分を群に引き戻すかもしれない。引き戻されてせいっさいされて生地獄を味合わされるに違いない。こと、せいっさいに関しては、ゆっくりは人間以上に凄惨で手を抜かない。むしろ、楽しみとして捉える人間よりもサディスティックな一面も存在する。人間のレベルがせいぜい死刑執行を眺めるまでといったところだろうが、直接手を出すところまでがゆっくりだ。 
「ちょっとじかんがほしい。れいむがそのむれにかけあうじかんがひつようなんだよ」 
 それまで、れいむの家に居ても良いよとも付け加えられた。だが、 
「それなら、さいごにぱちぇのおとうさんとおかあさんにあいたいわ。それと、………まりさにとってのぱちゅりーがほんとうはどうだったかもききたいの」 
 別れを惜しむというべきか、最後の最後にやり遂げたいことがぱちゅりーの中ではあった。両親に対して謝りたいこと。そして、まりさがほんの少しでも自分のことを愛しているんじゃないかという希望を確かめたい。 
「おとうさんとおかあさんがぱちゅりーをたすけてほしいってたのんだんだよ?」 
「え?」 
 帰ってきた答えは予想外のものであった。 
「たったひとりのむすめだからしあわせになってほしいって。ゆっくりしてほしいって」 
「おとうさん……おかあさん……」 
 目からこぼれ落ちる涙。側にいるぱちゅりーたちの子はそっと母に寄り添った。 
「よきゃったね! おきゃあさんのおきゃあさんはおきゃぁさんをあいしていりゅんだよ!」 
「おきゃーさんのおちょーしゃんもだよ!」 
 群の皆にゆっくりできないと思われていた。その中には自分の両親だって。だから、ぱちゅりーは不出来な自分を謝りたかった。なのに…… 
「「ぱちゅりー!!」」 
 玄関からかかるゆったりとした優しい聞き覚えのある声。年月をかけて、切羽詰った自分とは大違いのゆっくりとした雰囲気を持つぱちゅりーの両親の声だった。 
「う…うぶぅ……うわあぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!」 
 子持ちの母とは思えない、あどけない子供のようにぱちゅりーは親元へと駆けつけた。 
「「「「「「「みゃみゃああああああああああああああ!!!」」」」」」」 
 その後ろからぱちゅりーの子供たちが駆けつける。 
「おまえたちはこっちだよ!」 
 気を利かせて、れいむはそこらに散らばっているまりさの子供たちを貯蔵庫へと連れていった。 

 太陽が山吹色から橙色へと変わるころ、ぱちゅりーは最後のお別れをした。 
「で、どうだった」 
 ぱちゅりーの両親が帰った後を見計らい、ぱちゅりーの子供たちを寝かしつけたれいむは声をかける。 
「とってもゆっくりできたわ」 
 ただその一言だった。他にも色々と言いたいことはあったけれど、この言葉が全てを物語ってくれる。ぱちゅりーにはそれで十分であった。 
「また、あえるんだからだいじょうぶだよ」 
「むきゅ!?」 
「ふふふ、まあそーゆーことにしておいて」 
 不可解なことではあったが、ぱちゅりーはれいむの言葉を信じることにした。 
「むーしゃむーしゃするまえにきくけど、ぱちゅりーはまりさについてしりたい?」 
「むきゅ、そういえばそうだったわね……」 
 両親に会えただけでぱちゅりーは満足だった。その満足がぱちゅりーを満たしたのだ。あの時は、ただただ絶望の淵に立たされ、すがる思いで言った言葉なのだが、今考えるとまりさに会うことに恐怖を感じた。 
「むきゅ……」 
 れいむも気づいており、 
「やっぱりやめとく?」 
 逃げの道を作ってあげたが、ぱちゅりーは知りたいと決断した。 
「なら、ここにかくれてて!」 
 れいむの家の大部屋。そこには葉っぱで作られたテーブルと保存食の干し草、木の薄皮で作られた頑丈な籠や長い長い木の枝さん、れいむしか持っていない火を起こす石に研磨された黒曜石のナイフ等の道具がたくさん並べられていた。その一角の干し草をれいむは指した。 
「そこにもぐってて。れいむがまりさのほんしんをききだしてあげる!」 

「たまにはれいむとしょくじもいいもんだぜ!!」 
「よろこんでくれてなによりだよ!」 
 れいむがまりさとその妻ゆっくりたちが暮らすおうちに行き、まりさをむーしゃむーしゃたいむに誘った。れいむが群一番の料理上手であることを知っているので、周りからは一緒に行きたいだのと言う声が上がったが、独り占めしたいまりさはそれを許さなかった。無け無しに、母親とむーしゃむーしゃすることがゆっくりできるといった配慮は残っていたらしい。 
 その意地汚さがこうじて、まりさとれいむ、二人だけのすーぱーむーしゃむーしゃたいむが始まった。 
「むーちゃ、むーちゃ、ひさしっぶりのおかあさんのごはんはうまいのぜ!!!」 
 むーしゃむーしゃしている時は喋るな。口からこぼれて汚いだろ。そう言いたいところだったが、れいむはまりさのご機嫌取りをした。 
「ゆゆ! それはなによりだよ!!」 
 気を良くしたまりさは酔っぱらいのように自分の口から自慢話をこぼしていく。 
「きょうもまりさのかりすまでみんなをゆっくりさせたのぜ!!」 
 そのカリスマとやらは母れいむが要因となっている。れいむ直々に育てられ上げたまりさなら立派なゆっくりになってくれるだろうという羨望を込めたものだった。だから、まりさに良くしてあげたのだ。それももうすぐ終わってしまう。 
「まりさのはにーたちもまりさをたのしませてくれるのぜ! きのうはありすになんぱつかぬいてもらったのぜ!! ゆひゃひゃひゃひゃ!!!!」 
 ゲスな笑い声をあげながらまりさは自分のプライベートを語っていく。 
「それと、どれいのぱちゅりー」 
“どれい”という言葉に反応して、潜んでいたパチュリーが若干動いてしまった。干し草に入っていたので、草同士のこすれ合う音が出てしまったのだ。 
「ゆ? なにかおとがしたのぜ?」 
「きのせいだよ!」 
 なんとかれいむがもみ消した。その延長線上としてれいむはさらにまりさに聞く。 
「あのぱちゅりーはどれいなの? およめさんのひとりでしょ?」 
「あのぱちゅりーはゆっくりしてないからどれいにしたのぜ! でも、なんでどれいにしたのかおぼえてえないのぜ」 
「どうして? まりさのこどもをうんだんでしょ?」 
「たしかに、まりさにのかわいいおちびだったけど、げすのあんこがながれてるじてんでだめなのぜ!!」 
 やはりなと、れいむが予想していたことを暴露するまりさ。このまりさはもうゲスだ。このまま生かしておいては群のためにならない。まして、まりさの妻もだ。若いゆっくりたちも総じてダメ。 
 そのれいむとは別視点のぱちゅりーは悲しみを抑えながらまりさを眺め続けた。 

 まりさにほんの少し前に作ったあまあまをお土産に渡して帰ってもらった。見計らってぱちゅりーは涙で濡れた顔でれいむの前に出る。その顔はただ運命に流されて絶望した顔ではなく、覚悟を決めた凛々しい顔つきであった。 
「れいむもね、かくごをきめたよ」 
 そっとれいむは自分の心中を打ち明けた。 
「なんのかくごなの?」 
「……むれをうるかくごだよ」 

 隣の群までの距離は普通のゆっくりが歩いて30分のところにある。れいむが全速力で走れば5分といったところだが。 
「れいむ! ゆっくりしていってね!!」 
「ゆっくりしていってね!!」 
 口に今日のご飯を咥えた、顔見知りのありすが声をかけてくれた。年はかなり下だが、天性の懐っこい性格でれいむはかなり気に入っている。 
「きょうはいったいなんのごようかしら?」 
「ゆん、きょうはきめぇまるにあいにきたんだよ!」 
「それならむこうのしげみさんのところでかりのてつだいをしているわ!!」 
「ありがとう!」 
「ゆっくりできたらいっしょにゆっくりしましょうね~」 
「ゆ~」 
  
 ありすの住む、群から少し外れた狩場。木ノ実が軒並みそろっており、落ち葉に関しても保存食として食べられるし、落ち葉を狙って虫が集まるのでなかなか良い狩場だ。だが、良い狩場だからといって摂り過ぎると狩場が潰れてしまう。そのため役人ゆっくり、もしくは役人ゆっくりに相当する能力が認められた権力者が狩りをコントロールする。その役人ゆっくりとして一匹のきめぇ丸が“ようかいのやま”から派遣されていた。 
「おお、きのみをおとしますからひろってください」 
「ゆっくりまつよー、わかるよー」 
 枝の先を掴みゆっさゆっさと揺らし、樹の実を落としていく。それらをせっせとお飾りが帽子状のちぇんとまりさが拾うのだ。 
「ありがとうなのぜ~」 
「いえいえ、たいしたことではありませんよ」 
「そんなことないよー。きめぇまるはゆっくりできるゆっくりだよーわかるよー」 
 おお、おおと呻きながら恥ずかしさを紛らわすためにきめぇ丸は首を大きく振った。 
「かりのあいだにわるいけどきめぇまるにようがあるよ! すこしじかんをくれないかな!?」 
 3年前に聞いた声がきめぇ丸の中で蘇る。 
「もしや、ゆうぎさんをたおしたれいむさんじゃ?」 
「ゆ! そうだよ!」 
『ゆっっ!!!????』 
 周りのゆっくりたちがどよめく。 
 この群は元が争いごとを嫌う比較的温和な群で、“ようかいのやま”が従属命令を出した時も、すぐにイエスと答えた群だ。そのため、武力での屈服を強いられず“教育期間”を経て思想に染め上げられた群ではない。よって、友好的な態度で接せられ数々の交流がスムーズに行われていった。その中での交流の一つとして、ゆっくりけーねが記した“ようかいのやま”の武勇伝という歴史を知る機会があったのだ。その中には初代“ようかいのやま”リーダーのゆうぎを倒したれいむの話も聞かされている。唯一敗北した戦い。汚点として歴史を見るのではなく、れいむを神格化するかのごとくその歴史を伝えた。裏を返せば、ゆうぎを持ち上げるためのものでもある。 
 生きた伝説をこの目にし、興奮が体中の至る所に敷き詰められた餡子を沸騰させた。いままで、隣の群のただのれいむだと思っていたゆっくりがあの偉大なゆっくりだとは。それもそのはず、れいむはそのことをなるべく隠して生きたかったのできめぇ丸など“ゆっくりのやま”の顔見知りには合わないように気をつけていたのだ。理由は自分の武勇伝を聞きつけて戦いを挑むゆっくりが来るかもしれない、そう考えたからだ。 
「いまはだいじょうぶ?」 
「ええ、どうやらいそぎのようだとおみうけしますし。いいですよ」 

 群の中心に位置する長まりさの家。むれで一番広いので秘密の話がしたいから家を貸して欲しいと、狩場で長まりさに頼んだら迷うこと無く貸してくれた。 
「それでごようけんはなんでしょ?」 
『ゆ、あれがあのれいむなのぜ!』 
『すごい、とってもとかいはだわー』 
『みょん! あのれいむにあえるなんてしょうてんしちゃいそうだみょん!!』 
『たましいがぬけかけてるんだねーわかれよー』 
『れいむもあんなおかあさんになりたいな~』 
 ひっそりとやりたかったのだが、れいむの噂を聞きつけて玄関にギャラリーがたまってしまった。本末転倒である。 
「ゆー、ごめんねれいむ。どうしてもみんながみたいっていうのぜ」 
 内心、みんなと同一の興奮を体感しているので、長まりさの困り顔には余裕があった。 
「おお、どうします? そちらのむれではなしたほうがよいですか?」 
「そっちのほうがこまるから、ここではなすよ」 
「そうですか」 
「ほんとうにごめんなのぜ……」 
 息を吸って、れいむは呼吸を整える。もちろん、ゆっくりには呼吸器官はないが、精神を落ち着かせるために体に空気を取り入れる。 
 そして、吐いた。自分が今から群を売る。その原因は自分たちの世代にある。子供たちにろくな教育をせず、ただ自分たちがゆっくりするための群れを作ってしまったこと。たしかにそこは幻想郷であった。だが、エルドラドが永遠につづくという考えが頭にこびりついていたらしい。ネヴァーランドはエヴァーランドでしかないのだ。生物というナマモノが居る限り。そこが間違いであった。なんにせよ、食うためには飯がいるし、歩くためには歩かなくてはならない。だが、子供たちはどうだろう。自分がいる立場を理解せずにグラグラの足場を基盤にしているのではないか。中には聞き分けの良い子もいるが、殆どの子が普通のゆっくりとおなじ怠惰でゆっくりしすぎている。このままでは外敵にあっという間にやられてしまう。食料のバランスを考えずに飢餓に陥るかもしれない。ほかの群に迷惑をかけるに違いない。ならば、その禍根は切り捨ててしまわなければならない。 
 屈辱だ。一度はその国家支配に嫌悪していた自分がそれに頼らざるを得なくなるとは。厳格な対応が正しいということを信じなければならないことを。 

「れいむのむれは“ようかいのやま”のさんかにはいるよ」 

『ええええ!!!!!!!??????』 

「それは、ほんきですか!?」 
 周りからは非難の声が上がる。それもそのはず、自分の群を守り、自治を守り続けたれいむがいきなりその意見を覆すのだ。あの決闘の存在を貶す行為に他ならない。 
「それで、むれのみんなもそうかんがえているんですか?」 
 もしかしたられいむ一人がトチ狂っただけかもしれない。その可能性が棄てきれずきめぇ丸は質問を重ねるが、 
「もちろん。むれのおとなたちをせっとくしたらみとめてくれたよ」 
 大人たちも次の世代に疑惑を持っていた。特のあのぱちゅりーの両親の子供。現状を考えて出てくる答えは群の存続を目標に入れると当然の結果だった。 
「そちらのじょうけんはのむ。けど、こちらのじょうけんをのんでほしいの」 
「それはいったい?」 
「わかいせだい。とくにげすになりかけているゆっくりしすぎたこをきたえなおしてほしい。また、さべつされてむらはちぶにされたぱちゅりーとそのこどもをたすけてほしい」 
 向こうは本気で群を渡す気なのだ。この重大な結論をきめぇ丸が背負うには荷が重すぎる。答えを引き伸ばしたい一心でボソっと言葉を紡いだが、 
「かんがえなおすきはないんですか?」 
「ないよ」れいむの底しれない目は頑固に輝くだけであった。 
 どうすればいいのだろうか、きめぇ丸は頭をシェイクして黙りを決め込んだ。 
「ゆ、とにかくそれをすいかにつたえてほしい。なんなられいむがじきじきにすいかにあいにいってもいいよ!」 
 要人たるれいむが下っ端のきめぇ丸を差し置いてそんなことをしたら自分が問い詰められてしまう。なかなか、ひどいことを考えるゆっくりだ。これが決め手できめぇ丸は観念した。 
「わかりました。いそいですいかさんのところにいきましょう。ですが、そのまえにれいむさんのいうぱちゅりーとそのこどもさんをつれていってさしあげましょう」 

 きめぇ丸に担がれ、れいむは空を飛んで自分の家に辿り着いた。もちろん、誰にもバレないように。 
「ここですね?」 
 そうだよと、返事をして玄関をくぐる。 
「ぱちゅりー? いる?」 
「ここにいるわ~」 
 大部屋で子供と一緒にうたた寝をしていたらしく、口元から少しヨダレが垂れていた。目をモミアゲで擦り、れいむの前に顔を上げる。 
「ゆ、じゅんびができたよ。こっちにおいでね!!」 
 子供たちを起こしてぱちゅりーはれいむの元へ跳ねた。だが、そこにいるのは、 
「き、きめいまりゅうううううううううううううう!!!!!!!」 
「「「「「「「ゆぴゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」」」」」」」 
 きめぇ丸を前にしてぱちゅりーとその子供たちは悲鳴を上げた。 
「おちついて! だまってね!」 
 ここでバレると元も子もない。それにれいむが連れてきたゆっくりなのだから危害を加えないだろう。ぱちゅりーとその子供たちは直ぐにその口を閉じた。 
「ゆ、ゆゆゆっくりするわ!!」 
「「「「「「「ゆぅぅうう、ゆっくりがまんすりゅよ!!!」」」」」」 
「おお、ゆっくりゆっくり」 
 顔をシェイクするきめぇ丸。また怯えだすぱちゅりー達。 
「ゆゆ、ゆっくりするじかんはないよ!」 
「そういえばそうでしたね」 
 リラックスするために首を振ったのだが逆効果だったことにしょんぼりするきめぇ丸。だが、時間がないと言われれば真面目にせねばならない。 
「ゆっくりがすくないむれがありましてね、そこにぱちゅりーたちをつれていこうとおもうんですよ。こもちでわかいからよろこばれるとおもいますよ?」 
「ゆん。でも、おしごとのいきからはずれたこういじゃないの?」 
 条約を結ぶための要因の一つを個人の裁量で裁いても良いのだろうか?」 
「いえいえ、わたしこれでもれいむさんのことをそんけいしているのですよ。あの3ねんまえのしあい、とってもかんどうしたんです」 
「ぼらんでぃあさんはゆっくりできるね。ありがとう」 
「いえいえ」 
「むきゅ……なんだかおいてけぼりにされてるわね。とうじしゃなのに……」 

 子供を頭に載せ、そのぱちゅりーをきめぇ丸は担ぐ。 
「それでは、いってまいります」 
「ゆん、たのむね。ぱちゅりーもゆっくりしていってね!」 
 一陣の風が舞う。その風は優しく、ぱちゅりーのその後の人生を語った。だが、群に返って来た風は何もかもを破壊するハリケーン。自然の厳しさを体現する力だった。