現代 まりさ れいむ 虐待 胎ゆ 注射 18KB



注意
・初投稿です。うんうんのような文章力です。
・善良なゆっくりが虐待されます。胸糞悪いかもしれません。
・不慣れなため、ゆっくり語がぎこちないです。

駄文ですが、お付き合いいただけると幸いです。



雨天続きだった前半を折り返すゴールデンウィークの谷間、行楽ムードの世相を空に映し出したかのような快晴を迎え、ある地方都市に清々しい朝が訪れていた。新緑が初夏の爽やかな風に揺れ、小鳥たちの歌声はこれからはずっと暖かな日々が続くだろうとでも言いたげだ。今日ばかりは、子供たちも母親も、怠けた学生も駅前を足早に過ぎ去るサラリーマンも、久々の好天と暖かな陽気を誰もが喜んでいた。

そんな街の一角に古びたアパートがある。2階建てのそのアパートは数軒のワンルームの部屋で構成され、道路に面した北側の通路に玄関ドアが並んでいた。錆にまみれた配管が外壁をくねくねと這いまわる灰色の外観は、摘出された脳腫瘍を思わせた。通路の東側に設けられた階段から反対側、2階の端の部屋の、玄関から部屋の中に向かって左側、つまり東側の、薄汚れた壁に寄せられた幅150センチはあろうかという大きな机で、ある男が熱心に何かを見つめていた。

視線の先にあるのは、人の言葉と顔を持ち、饅頭の体を寝息でわずかに揺らすなんとも形容しがたい不思議な生物────ゆっくりだ。



成体の父まりさとその番のやや大きめの母れいむ、まるまるとした子まりさと子れいむ2匹、そして赤まりさが2匹と赤れいむが1匹という、ごく普通の家族だ。彼女らは少し汚れてはいたが、栄養状態も良く幸せそうな寝顔を見せている。

そんな彼女らのうちの一匹、一家で最も若い末っ子の赤れいむがピクリと体を震わせると、寝ぼけ眼を半開きにして目を覚ました。
「……ゆぅ……?」
奇妙な空間だ。確か昨日は町外れの公園の林の、ふかふかのおうちで、久々にお父さんが狩りで見つけてきたあまあまをみんなで分け合って、しあわせーな気持ちで眠りについたはずなのに……?
赤まりさがぼんやりとしていると、異変を察知したのかゆっくりたちが次々と目覚めていく。眠りの深い母れいむを除いて、最後に目を覚ましたのは、優しそうな目をした父まりさだ。

「……ゆゆっ?」
「おちょーしゃ、おちょーしゃ!」「ここどきょー?」「しゅーりしゅーり、おちょーしゃ」「きょわいよ、おちょーしゃ!」「おきゃーしゃ、おきゃーしゃー!」「おうちしゃん、おうちしゃんじゃにゃいよ!」「ゆんやー…」

口々に不安を訴える愛娘たちの声を聞いて目が冴えてくる。辺りを見渡すと、確かに見覚えのない異様な雰囲気だった。それもそのはず。彼らは公園の林の中で生まれ、駆除もされず、暖冬のため”えっとう”も大して苦しまず、ゆっくりと自然の中で生きてきた野生のゆっくり。街にほど近い住処とはいえ、賢明にも出来るだけ人間から隠れて生きてきた彼らは、ほとんど人工物を目にせず育ってきた。そんな彼女らが詰め込まれているのは件の机の右側に置かれた50cm四方の透明なケースだ。これが何なのか、ゆっくりには見当もつかないが、あんよさんから伝わってくるツルツルとした妙な冷たい感じが、なんだかゆっくりできない。

なぜかまだ目を覚まさない母れいむを起こそうと父まりさが這い寄ったその時、突然斜め上から「ゆっくりしていってね!」と呼び掛けられた。
驚いて反射的に挨拶を返しながら、声がした斜め上を見上げると……

「ゆっ……?…………ゆ、ゆ、ゆゆ、ゆわあああああああああああああ!!!!!!!」「どぼぢでにんげんざんがいるのおおおお?!?!!??」「ゆわああああんん!!!!」「ゆんやあああああああ!!」

人間さんの顔がすぐ近くにあった。たちまち狂乱。人間さんの怖さを父まりさが日頃から教え込んでいたからだ。家族の叫び声のなかで、父まりさの中枢餡が混乱する。昨日はゆっくりとしたおうちでゆっくりと眠りについたはず。こんな場所は知らないし、人間と対面している意味がわからない。ここはどこだ。どうしようか。逃げ出そうか。しかし父まりさは、自分たちが狭い透明な壁に四方を囲まれていて逃げ出せないことに気づき狼狽する。そんな彼女らの不安を和らげるように、ゆっくりたちを眺めていた男がにっこりと笑って言った。
「お腹空いてるだろ?朝ごはんのあまあまだよ」
「……………?」

言葉の意味を反芻するのに時間がかかるのか、一瞬の静寂が訪れる。そして……

「ゆっ?」「あまあまさん!?」「あみゃあみゃ!たべりゅ!!」「れいみゅも!!あまあましゃん!」「あみゃあみゃしゃん!?」

一言で態度が激変した。ゆっくりなら当然だ。子どもたちはうってかわって男におねだりを始める。だがあまあま、の言葉に沸き立つ子供たちと対照的に、父まりさは訝しがっていた。なぜ、見覚えのない場所にいるのか。なぜ、話したこともない人間があまあまをくれるのか。

さて、野生のゆっくりにも関わらずあまあまの一言で靡かないのは、奇跡的だろう。彼女がここまで疑り深いのは、幼少期のトラウマが原因だった。彼女は確かに公園の林から出ずに生きてきたが、人間を一度だけ見たことがあった。忘れられない経験だ。それはかつての姉妹たちの仇。ある日お家のまりをお散歩していたら、なんの前触れもなく、何匹もいた姉妹が自分以外皆殺しにされたのだ。末っ子だったまりさは人間に復讐をするどころか、ただおそろしーしーを垂れ流すことしかできず、わけもわからないまま見逃され、絶体絶命のピンチを乗り越えたのだ。幸運が重なり今では家族を持つまでゆん生を歩んできたが、トラウマは中枢餡の一番深いところに刻まれていた。あの人間の顔は忘れてしまったが、その時の、最後の一匹を踏みつぶした時の顔が、餡子も凍るような恐ろしいものだったということだけは覚えていた。

「ゆっ……にんげんさん。あまあまをくれるのはうれしいけど、理由がわからないのぜ…。」

疑うような視線にも男は笑顔のまま答える。
「理由なんて決まっているじゃないか。君たちがとってもゆっくりしているからだよ。」

その一言にも疑問を感じていたようだが、男がコンビニの一口クッキーをケースのなかにバラ撒くと、想像を遥かに超えるゆっくりしたあまあまの匂いに心を奪われ、大騒ぎしながら群がる子供たちの輪にずーりずーりと入っていった。
その反応を見て、男はなんだか思いがけない幸運に恵まれたような、不思議な表情を見せたが、すぐに満面の笑顔に戻りゆっくりたちを見つめ始めた。

それから数分後─────
満腹の子供達がおひるねを始めると、改めて父まりさが男に話しかけた。

「すてきなあまあまさん、ありがとうなのぜ。こんなゆっくりしたごはんさんははじめてたべたのぜ。でも……どうしてなのぜ?」

本当に疑り深いゆっくりだ。

「君たちがゆっくりしているからだよ」

先ほどと同じ答え。感情の全く篭っていない語調にわずかばかり警戒しながらまりさは人間の顔を見つめて考える。
(ゆぐ……人間さんは、みんな怖いと思っていたけど、間違いだったのかな……でも……)
でもなんだか嫌な感じがする。何も文句を言う要素はないのだが、自分たちを囲う透明な壁が、故意に閉じ込められているという理解ができないまりさにもゆっくりできないものであると思えた。それに先ほどから気になることがある。番のれいむが全く目を覚まさないのだ。あれだけ大騒ぎしてあまあまを食べていたのに、全く気づいていない。まりさがれいむのために帽子のなかに残しておいたクッキーがこぼれ落ちていないことを確認すると、人間さんが部屋から出ていくのが見えた。

「ゆゆ……まりさもおひるねするのぜ……」
賢い個体とはいえ食後の眠気には逆らえず、やがてすーやすーやと眠りに落ちた。それを部屋の外から覗き見ていた人間の唇の端が、僅かに歪んだことに、ついぞ気づかなかった。




「ゆんやあああああああ!!!!!!やめちぇにぇ!!!!!やめちぇにぇ!!!!!!」
「ゆがっ……ゆ!?」

大声で叫ぶ娘の声で父まりさが驚いて目を覚ますと、恐れていた光景が広がっていた。
末っ子の赤れいむが人間さんの指につままれ泣き叫んでいる。そのすぐ下、机の左側の上には、いつの間にかつまみ出された他の子供たち5匹も一緒に泣いていた。

「なにしてるのぜええええええ!!!!!!!!おちびちゃんたちをはなすのぜええええ!!!!!!!!」

何てことだ。やっぱり人間はゆっくりできなかった。なぜ信頼したのか。いや、ちゃんと疑ったはずだ。なぜ逃げなかったのか。いや、壁があったからだ。じゃあなぜ昼寝した。なぜ子供たちを連れているのに無警戒でおひるねした。自分自身が許せないこともあって、激昂する父まりさの怒声は凄まじかった。すると一瞬固まった子供たちだが、すぐに自信満々の顔をすると、人間を挑発し始めた。

「いもーちょをはなしぇーー!!!」「そーぢゃ、そーぢゃ!」「にんげんしゃん、もうゆるしゃにゃいよ!?」

優しい父の見たこともない怒り。自分たちでさえ、おそろしーしーが抑えきれないお父さんの怒り。人間さんは怖いと言っても、あのお父さんの前にはとても敵わないだろう。そんな思考が餡子を駆け巡った。

しかし人間は、つまらないものを見るように子供たちを一瞥すると、すぐに作業に戻る。ゆっくりたちは必死に声を上げるが、全く相手にされない。そして男の手にはいつのまにかとても不吉な道具が握られていた。

ゆっくりは知る由もないが、それは最新のタイプの注射器だった。
人間用のそれは、蚊の針を参考にして作られたという超極細針で、あまりの針の細さから意識しないと刺されていることに気づかないほどの代物。痛覚の過敏なゆっくりにとっても、これを刺されることは痒いくらいにしか感じないものだった。針自体は。

男は注射器に液体を溜めながら、3日前にこの器具を入手してからの準備に思いを巡らせた。

3日前運良く知り合いのコネでこの注射器を入手した時、本当に久々に、新しい境地が見えるかもしれないと期待を膨らませた。
男はこの街で、もう何年もゆっくりを虐待していた鬼意参だった。
潰して、焼いて、溶かして、あらゆる虐待を楽しんできたが、最近彼はある不満を抱えていた。
どうしてもマンネリ化してしまう。
ずっと前からそれを打破できそうなアイデアがあったのだが、この道具を手にするまで、技術的に実現不可能だった。だから今日この日が楽しみで仕方なかった。

それは、饅頭でありながら言葉を話し、生活を営み、命の存在を思わせる不思議な生き物ゆっくりの、最大の神秘。

中枢餡を用いた虐待だった。

中枢餡への攻撃自体は今まで幾度となく試したが、どうしても中枢餡に攻撃が達した段階で、必ず絶命してしまう。ゆっくりを生かしたまま中枢餡に危害を加えるには、どうしても極限まで細い針が必要だった。
そして、遂に不可能を可能にするかもしれない魔法の道具が現れた。天啓にさえ思えた。
男が早速久々にケースを押入れから出し、公園に出かけ、そこに生息するゆっくりをリサーチし、ようやくターゲットとして確定した一番幸せそうなゆっくりの家族を拉致してきたのが昨日の晩だった。

性能のテストも兼ねた眠っているゆっくりにこの注射器でラムネを注入する作業は実に簡単だった。
しかしそれでも、神がかり的な直感で危機を察知した母れいむが騒ぎそうになったので、あわてて成ゆ5匹分ほどのラムネを注入したら即座に眠りについた。母れいむが目を覚まさないのはそのためだ。クスリが抜けきらないのである。

さて、末っ子れいむがまんまるの体を震えさせながら「やめちぇにぇ……やめちぇにぇ……」と、か細い声で懇願する。しかし人間は気にも留めず注射針を赤れいむの後頭部に刺した。

「ゆがああああああ!!!!!!やめろおおおおおお!!!!!」

父まりさは相変わらず絶叫を繰り返しているが、どうしたことだろう、針を刺された赤れいむは予想外に小さな刺激に一瞬ピクンと震えただけで、「ゆきゃっゆきゃっ」とくすぐったそうにしている。


「やめ………ゆぅ?」
父まりさがなにやら予想外の展開に叫び声を止める。
だが、その注射器には、半透明の真っ赤な液体が満たされていた。ゆっくりにとっての猛毒。微量で彼女たちを死に至らしめる最悪の液体。
唐辛子エキスだ。
男が、さも呼吸をするかのように、いかにも自然な所作で液体を赤れいむに注入すると──────

爆発した。
少なくとも父まりさや、姉のゆっくりたちにはそうとしか見えなかった。一瞬にして全身の餡子に回った猛毒が体中を破壊したため、赤ゆっくりの小さな体で受け止めきれる閾値を遥かに超えた異常な激痛に耐えられず、身体中の餡子を一息で吐き出したからだ。

「」

赤れいむだった萎びた物体が、透明な壁を隔てて目の前に投げ捨てられた。

「ゆがああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
父まりさが絶叫した。
目の前で、娘が何の意味もなく、ただ殺された。
これから食べるはずだったおいしいごはん。出会うはずだったおむこさん。授かるはずだったゆっくりしたおちびちゃん。何ひとつまだ知らないまま、無意味に命を終えた。

子供たちは、なにが起こったのかを一瞬遅れて理解すると、猛烈に泣き叫びながら、おそろしーしーを超えてうんうんを漏らしながら恐怖に怯えた。赤ゆで最年長だった赤まりさが恐怖のあまり致死量の餡子を吐いてそのまま動かなくなった。それを見て子どもたちはさらに狂乱する。
男はまるで食事中に次の一口を見定めるように、残った最後の赤ゆである赤まりさを手に取ると、今度はまむまむから針を突き入れ、何の躊躇もなく中身を注入した。

「ゆっ゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛」

赤まりさは狂ったように暴れ始めた。赤ゆとしては到底ありえない筋力で飛び跳ね、回転し、舌を噛み切り、目玉を出鱈目に動かしながら机から飛び降りると、半分ひしゃげた体で尚もうねうねと動き回り、部屋の反対側の壁にぶつかったところで動きを止めた。

「おぢびぢゃあああああああああ!!!!!!!ゆああああああああああ!!!!!!あああああああああ!!!!!」
父まりさは絶叫しながら透明な壁に何度も体当たりして、全身を擦り切らせながら男を非難する。

しかし男はまるで意に介さずに、今度は子れいむを手に取ると、ようやく口を開いた。

「やだなぁ、テストだよ、今のは。俺はね、もうこのくらい見飽きてるんだよ。俺が今日、本当に見たいのはね・・・」

喋りながら男は注射器を握っている手と反対の手でカッターナイフを袖机から取り出すと、驚くべき手際の良さで子れいむの開頭手術を始めた。

「ゆぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょ」

生きたまま体の上部をあっという間に切り取ると、外気にむき出しになった中枢餡がぷるぷると震えているのが見えた。

「やべろおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!ゅゆげええええっ・・・・・ゆぼっ・・・・ゆぐうううううううう!!!!!!!」
さすがの父まりさも微量の餡を吐き出し、それでも娘に呼びかけ続ける。

しかし男はさも嬉しそうにその悲痛な声を受け止めると、まるで子れいむが愛しくし仕方がないかのような、慎重で、丁寧で、慈愛に満ちた動作で口やまむまむ、あにゃるを優しく手で包み込んで抑える。無論、吐餡死を防ぐためだ。

そして満を持して子れいむの中枢餡に極細の針先を突き入れ、真っ赤なエキスをほんの少し注入した。

ゆっくりたちの叫びがこだまする。


男が期待に満ちた表情で子れいむに注視する。

だが。先ほどまで痛みのあまり痙攣していた子れいむが、ウソのようにパッタリと動きを止めてしまった。

男はそれでも注意深く様子を見守っていたが、全く動きを見せない子れいむに拍子抜けした。
なんだこれは。この注射をもってしても、中枢餡虐待は無理なのか。それほどまでに脆いのか。

しかし、男が落胆の表情を見せ、子れいむを抑えていた手を引っ込めた、次の瞬間。

「      ゆ゛     」

ビクンと覚醒した子れいむが、奇怪な鳴き声を上げたかと思いきや、




爆散した。



空気が凍りついた。
先ほどの赤ゆの吐餡とは次元が違う。
まるで何十メートルも上空からアスファルトの地面に激突したかのように、体のあらゆるパーツが跡形もなく四散したのだ。

だが、これだけでは終わらない。
ゆっくりたちも、男も、固まっていた。
目を疑った。目が離せなかった。

なぜなら彼らが見つめる先には、


死んだ子れいむの中枢餡と思しき物体が、グシャグシャの餡の中で、真っ赤に染まりながら、蛆虫のようにその場を這い回っていたからだ。

「ゆげええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!ゆっ・・・・・・ゆがッ・・・・・ゆ゛っ・・・・ゆげええっ・・・・」

今度は父まりさも相当な量の餡を吐き出した。姉の子まりさと子れいむは一瞬にして重度の非ゆっくり症を発症し、気絶するように死んだ。あまりにもおぞましい光景に、ゆっくりの心は完全に破壊されたのだ。


一方、未だ動きまわる得体のしれない”それ”を眺めていた男も爆笑していた。
こんなことは初めてだ。
これはさすがに初めて見たぞ。

今まで俺の虐待で、限界を超えた苦痛から予想だにしない死に方をするゆっくりは多々いた。
みずから飛び降りるゆっくり。”おたべなさい”で自殺を図るゆっくり。暴れまわってわけもわからずぐちゃぐちゃになって死ぬゆっくり。


だが、死してなお、自らの死体の中で這いずりまわる中枢餡なんて初めてだ。
やっぱり久々に虐待に精を出してよかった。こいつらは、やっぱり、面白い。
それから数十秒の間、男は世にもおぞましいその物体を眺めて笑っていたが、

突然、黙った。

閃いてしまった。

  父まりさも顔を上げる。その男の表情を見て凍りつく。

悪魔的な発想が、

  そうだ。こいつは。この顔は。この笑顔は。

電撃のように男の脳に立ち現れた。





こいつを注射されたゆっくりは、一体どうなる。





男は凄絶な笑みを受けべながら、”それ”に注射器を刺し、意味の分からない何かを吸い上げる。生き物みたいに混ざり合う、黒とも黄色とも赤とも、およそ言葉では表現できない歪な色彩の何者かが注射器に満ちていく。男は”何か”が萎みきって動きを止めるまで中身を吸い上げると、少年のような笑みでまりさに顔を向けた。


父まりさもさすがに男の意図に気づいたらしく、ブンブンと首を振ってひたすら拒否する。いやだ。あんなのはいやだ。無理だ。いやだ。

言葉として成立していない叫びを上げながらびったんびったんと跳ねまわり、糞尿にまみれながら狭いケースの中で少しでも男から遠ざかろうとする。だが、冷徹な注射器がまりさの頭部を捉えようとした時。

「・・・ゆゅ?」

最悪のタイミングで、母れいむが目を覚ました。
あたりに散らばる子どもたちの屍骸を見てもなお、現実が認識できない。いや、認識することを拒否している。

「ゆぅう~?」

生まれたての赤ん坊のような声を上げ、男を見上げる。その瞬間。

「やべでぐだざいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!れいぶのおながにばおじびぢゃんがいるんでずうううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!」

恐怖で失禁しながら、まりさが男にそう懇願した。この世の本当の悪意が、ゆっくりの想像できる範囲の、遥か彼方にあるとも知らずに。

「お前らはさ、いや、一体どこまで、俺を楽しませてくれるんだ?」

確かにでかい母れいむだと思っていた。だがまさか。今時胎ゆを授かる野生だなんて。
反抗したのも必然だったワケか。

自分自身の巨大な悪意に酔いながら。男は踊るようにれいむを抱え上げて。


胎ゆたちのいるはずのそこに、これでもかと注射器を抉り込み、ありったけの中身を注ぎ込んだ。

「れいぶううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「」


男は放心したように注射を抜くと、椅子に座り、この一家の最後の余興をゆっくりと傍観することにした。





「ユ」「ユ」「ユ」「ユ」

声だ。声がする。でも何の?

「ゆがああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

まりさの叫びは、もはや悲しみや怒りによるものというより、この絶対に聞いてはいけない声を掻き消すためのもの。

「「「「   湯゜エ   」」」」」


聞きたくもない意味不明な鳴き声を奏でながら、何かが出てこようとしている。
何かがれいむを死に追いやろうとしている。止めなくては。止めなくては。


まりさが虚ろな眼でれいむに跳びかかった瞬間、母体の餡を食い破り、この世に存在してはいけない禍々しい何者かが姿を現した。空気に触れた体が痛むのか苦しそうに藻掻きながら、ぷよぷよとした双眸を頭上に迫る父へ向け、潰れた。



まりさは狂ったようにその場で飛び跳ね、どす黒い4つの蠢く塊に何度も体を叩きつけ、齧りつき、ぺにぺにを擦り付け、うんうんと混ざりながら絶頂を迎え、奇声を上げながら自らの身体を捩じ切って絶命した。静寂の中、父の屍をもそもそと咀嚼していた謎の塊は、やがて1つずつ動きを止めていった。







「ねえまりさ、つぎのおちびちゃんたちはどんなおちびちゃんだろうね」
「おちょーしゃ、しゅーりしゅーり!」
「まりちゃみょきゃりにちゅうれちぇいきゅのじぇ!」
「れいみゅ、おおきくなっちゃら、おちょーしゃんとけっきょんしゅりゅー!」
「おちょーしゃ、おちょーしゃ」
「おちょーしゃ、」
「」







夕日の緋色に染まる西の空が、街に一日の終りを告げていた。
子どもたちは母と道をゆく。今日のご飯は何にしようか。
サラリーマンが家路を急ぐ。明日はどこかに出かけようか。

明日もきっと、ゆっくりした日になるだろう。








おしまい



蠢くあき













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