ゆっくりプレイス、ただであげます ゆ生門あき
注 怪談 ゆっくりのみの世界なので、漢字を使わせていただきます 

とある群れの中。広場は賑わっている。
物を交換する者。子供を自慢する者。そして遊んでいる子供たち。
非常に多数のゆっくりがいる群れだ。
そんな中、不思議な帽子のゆっくりまりさが言った。

「だれか・・・まりさのゆっくりプレイスいらないかなのぜ?」
「ゆ・・・・?」

ゆっくりプレイス、ただであげます


「ただでいいのぜ。お代なんていらないのぜ。」
「な・・・何を言ってるのこのまりさは・・・自分のゆっくりプレイスをあげるなんておかしいよ・・・」

当然の反応。広場にいたゆっくり達は気味を悪がって、その場から去っていった。
しかし・・・

「ゆ・・・もしかして本当に貰っていいのぜ?」
声をかけたのはとあるまりさであった。

このまりさは、数日前。狩りから帰ってきたときに、つがいのれいむの浮気現場に直面してしまった。

「これからここはれいむとかれ(浮気相手)のゆっくりプレイスだよ!くずはゆっくりしてないで出て行ってね!」

と言われてしまい、もはやどうでもよくなり、町を放浪する暮らしをしていた。
住むべき場所の無いまりさにとって、これは天がくれたチャンス。そう思い、この不思議なまりさの話に乗ったのだ。

不思議なまりさは言った。
「本当だぜ・・・ただ、“守って欲しいこと”があるのぜ・・・」
その守って欲しいこととは、次のようなことであった。
欲しいのであれば、必ず受け取らなければならない」
お日様が2回以上上るほど、家を空けない」
永遠にゆっくりするまで、住み続ける。」

まりさにとって、この3つなど簡単な約束に過ぎなかった。まりさはこのプレイスを勿論貰う気である。住む場所の決まったまりさにとって、2日も家を空けるのは普通ないことであり、死ぬまで誰にも渡さない気でもある。

「ゆ、勿論ほしいのぜ!!どこにあるんだぜ?」
「じゃあ・・・ついてきてなんだぜ・・・」


ゆっくりプレイスは広場から離れた、他のゆっくりがほとんどいない場所にあった。

「ゆゆゆ!なかなかいいプレイスなのぜ!!本当にただなのか疑うんだぜ!!」
「本当だぜ・・・ただ、もう一つ、プレイスの後ろに“井戸”があるのぜ・・・これには触れてほしくないのぜ・・・」
「ゆ?“井戸”?」

よく分からないことだが、約束は守らなければならない。

「ゆ、もちろんだぜ!!たくさんの約束を守るのぜ!!」
「じゃあ・・・おねがいなんだぜ・・・・・・・・」

そのまま、その不思議なまりさは去っていった。

「ゆわあ、久しぶりのプレイスなのぜ!!」

プレイスの中はごく普通の内装であったが、これでただなのは凄い。
まりさはこれからの生活に期待し、声をあげていった。

「ここをまりさのゆっくりプレイスにするよ!!!」


“おうち宣言”をしてから数日がたった。まりさはあの「3つの守りごと」を守っていた。しかし・・・・
「・・・気になるのぜ・・・・」
とてもゆっくりとしたプレイスなのはうれしい。だが、夜になると“何者か”に見られているような気がする。そんなことがあった。

「ゆううん・・・ま、いいのぜ!!」

しかし、まりさはそんなことなどどうでもよい様な態度であった。

ある日のことである。
「ゆ・・・そうだぜ!!みんな池まで水を取りに行くのは大変なのぜ!まりさが“井戸”の水を売るのぜ!そうすればまりさは億万長者っなのぜ!!」

まりさはその欲に負けてしまい、遂に“井戸”に触れることにした。

「ゆ・・・柵さんがあるのぜ・・・邪魔なのぜ!!まりさはゆっくりするのぜ!!」

井戸を守るようにつけられた柵だが、成体まりさにとってそれを壊すのはわけないことだった。

井戸から水を取ってみた。
「ゆ・・・飲んでみるぜ・・・」
・・・・・・ごくッ
「ゆ・・・うめええええええええええええええこれめっちゃうめええええええええええええええええええええええあまあまああああああああああ」

叫ぶほどの美味しさ。まりさは確信した。これは売れる。みんなに売ろう!と。

それからまりさは、例の広場にて店を構えた。客の評判の良さと噂によって見る見るうちに客は増えていき、まりさは
「甘水売りのまりさ」
と言われ、たくさんのご飯などを手に入れた。
しかし人気になった故に、すでに約束など忘れてしまった。2日以上家を空けることもあった。
これが間違いであった。

ある日の夜
「ゆふう今日も売れたのぜ!さて、まりさはすーやすーやするのぜ!」
「すーや。すーや。」「・・・・・・・・・・・・・・・しゃ。」
「すーや。すーや。」「・・・・・・・・・・・・・・・きゃしゃ。」
「ゆ・・・・?」「・・・・・・・・・・・・おきゃーしゃ・・・」
「なんなのぜ・・・?なんか聞こえるのぜ・・・?」「おきゃーしゃ・・・・」



「おきゃあああああああああああああああああああああああああああああああああしゃああああああああああああああああああああああああああああああもうおうぢがえるうううううううううううううううううううううううううううううううううくらいのはいだぢゃよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「ゆんやあああああああああああああああああああああああああああああああああやだあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

「ゆんやあああああああああああああどげりゅうううううううううううううううううくぁwせdrfちゅじこlp;@:」

「ゆ・・・ゆ・・ゆぎゃああああああなんなのぜこれはあああああああああああ」

まりさは、その”謎の絶叫”に、おそろしーしーを流しながら外に出る。

「ゆ・・・なんだったのぜ・・・びっくりしたのぜえ・・・」

「きゃーしゃあああああーーーーーーーーッ」山の方から聞こえる。

「何なのぜ・・・?山から何かが来るのぜ・・・?」

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

「ゆ・・・ゆ・・・ばけものおおおおおおおおおおおお」
まりさが見たもの。それは、“ゆっくり”ではない。いや、ゆっくりのカタチをした
”ゆっくりできないナニカ”であった。

その造形は、“皮をむかれたゆっくり”のように、真っ黒で、そこらから黒い“ナニカ”をボドボドと落としていた。

「ゆ・・・・ゆ・・・ゆあああああああああああああああああああ」

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
せつないせつないせつないせつないせつないせつない。

謎の感情に押されたまりさは、プレイスに戻っていった。

かつて、ゆっくりできると思ったプレイス。しかし、今はもう恐ろしい存在だった。

「ゆ・・・ゆ・・・ゆへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」
まりさはもう気が狂ってしまった。自分がまいた種を自分で回収した。

「ゆ・・・ゆ・・・井戸・・・あまあまを飲んで・・・ゆっくりするよ・・・」
井戸へ向かう。

「ごーくごーく・・・もっと・・・もっと・・・もっとおおおおおおおおおお」

まりさは「この井戸の水を全部飲みたい」という欲をだし、井戸に身を乗り出した。

「ゆひひひひひーあまあまーあまあまーーー」

ヒュ―――――――――――ッ

ドポンッ

・・・・・
まりさは気が付いたら、星空を穴の中から見ていた。そして周りから「ゆっくりできない匂い」がすることに気が付く。

「ゆ・・・?これ・・・お飾り・・・?ちっちゃいのぜ・・・・!!!まさか!!」

まりさはすべて分かった。死期が迫ると感が冴える・・・餡子脳でもすべて判明した。さっきのはこの井戸に落ちてor落とされて死んだゆっくり達の魂の集合体だった。中には深い悲しみを抱えて身を投げたゆっくりもいるため、せつないと感じた。その集合体は山に登っていき、そこから降りてくるのだ。

「ゆ・・・・まつのぜ・・・・・」

そして、まりさはもう一つ、「その死骸の入った水を飲んでいた」ことに気が付く。

「ゆ・・・ゆわあああああああああああああああああッ」

そしてもう一つ。この井戸は水が絶えない。まりさもまた、この水の一部に、魂の集合体の一部になるのだ。
「ゆああああああああああああああ溶けるのぜええええええええええええええええええええ!!!!!!」

そのまま、まりさは深い水によって、消えた。

まりさが消えてから何年もした。そのまりさを心配するものはいなかった。

広場は、相変わらず賑わっている。
そんな中、不思議な帽子を被ったまりさが言った。

「ゆっくりプレイス、ただであげます。」

おわり。


あとがき
夏が近づいてきました。今年は史上最高の暑さになるそうです。人間にとってもゆっくりにとっても嫌な暑さになりそうですw
今回の話の元ネタは“【関西】ただであげます。ただでください3【無料】”という、2ch怖い話です。
この次も、ゆっくりしていってください。